福祉用具の歴史と制度

日本の福祉用具の歴史は、第二次世界大戦後のリハビリテーション医学の発展や障害概念、社会福祉制度の成立と社会の理解が広がることで発展してきた。これらの要素の他に、福祉用具の発展を支える技術基盤があった。

社会保障制度の枠組からみると、社会福祉制度においては老人福祉法による老人日常生活用具給付事業、身体障害者福祉法による捕装具給付、児童福祉法による捕装具給付などがあり、年金制度においては、厚生年金保険法による捕装具給付、労災制度においては労働者災害補償保険法による捕装具給付などである。

また、1993年に「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」が制定された。福祉用具法は、福祉用具の研究開発から普及に至るまでを総合的に明確化した法律であり、その性格から厚生労働省と通商産業省の両方が管轄する。

さらに2000年に介護保険法が創設され、この法律の中に福祉用具は高齢者の自立支援の重要な鍵として、「福祉用具貸与」が事業として位置づけられた。また、2006年の介護保険改正で「介護予防福祉用具貸与」事業が新たに追加された。

同時に、福祉用具貸与・販売においては、要支援者および要介護1の高齢者には、原則保険対応しない旨が示された。この背景には、予想以上に介護保険給付の中で福祉用具が普及し財源的な見直しが必要となったこと、福祉用具の選定が不適切に行われていたことなどがある。